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宇宙利用の進展のために拡大する国際協働

Posted by MHI Voices on October 26, 2018

宇宙への進出が始まった初期の頃、それは経済大国が自国の技術力、経済力、政治力を見せつけ、自国一国のみの力で達成したことを誇示するためのものでした。ロケットや人を宇宙に送るために費やす天文学的なコストを賄うことができるのは国家だけであり、国家はあらゆる技術的優位性を必死に保とうとしました。

その後、国際宇宙ステーションの建設といった圧倒的なスケールを持つ先進的なプロジェクトが始動し、宇宙空間における活動のために国際的な協力体制が組まれることが多くなりました。宇宙利用新時代の幕開けとなったのです。

コストリスクを分散し、各プロジェクトで活用可能な専門技術の幅を広げるため、複数の国家による協働活動はますます増えています。かつて宇宙開発は国家間で競い合うものでしたが、今や宇宙のフロンティア開拓をより一層拡大して、資源の共同利用を進めるために、国々が積極的に協力し合うものへと変わりました。

宇宙からの環境観測

アジア10ヵ国の宇宙機関のリーダーたちは2017年11月に開催された第24アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-24において、APRSAFが同地域の社会的課題解決の貢献することを目指す、ユニークな業界内パートナーシップの構築に合意しました。

この会議では、日本、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、韓国などアジア諸国の宇宙分野の専門家が議論を行ない、そこにフランスやロシアなどアジア以外の国の代表もサポートとして加わりました。

宇宙関連技術を共同利用することにより、アジア太平洋地域における宇宙分野での協働が進み、それが地域全体の宇宙教育活動の推進や、災害管理計画に資する宇宙から得た重要な情報の提供につながっていく可能性があります。また、こうした協働を通して、統一的な宇宙計画の策定がしやすくなり、将来の宇宙共同探査の実現性も広がっていきます。 

この会議で議論された構想の一つがCubeSatの共同開発計画です。CubeSatとは、科学研究や地球の観測を行なうことを目的に設計された軽量の人工衛星のことです。この人工衛星は打ち上げ後、アジア太平洋地域の米の収穫状況の観測、持続可能な開発のための各種観測、あるいは地球全体の降雨量監視といった面で、より大きな効果を上げることが期待されています。

月面での資源採掘

アジア以外の地域でも、宇宙での協働を目的とした合意が次々と締結されています。アメリカでは、コロラド鉱山大学の研究者ハンター・ウィリアムズ氏がNASA、民間セクター、そして国外のパートナーと共同で、月面での熱エネルギー採取を事業化する可能性を探ろうとしています。新しい技術によって、太陽光を直接効率よく取り込み、月の極地にあるクレーターに堆積している氷をロケット燃料に変換することができるようになったのです。

 今回の探査ミッションで十分な氷が見つかれば、この採取事業は10年以内に実現できるといいます。ウィリアムズ氏は「今は、科学の発展、経済的利益、あるいは国際協力の推進という意味で、かつてないほどエキサイティングな時代だ」と語っています。

壮大な目標 

宇宙探査や科学的発見にかけては世界のリーダーであるNASAも複数の国々と提携し、共同で壮大な宇宙事業を進めようとしています。近年、NASAとイギリスは、世界の宇宙産業におけるイギリスの寄与率を6.5%から10%にまで上げるという目標を実現するためにはどのようなパートナーシップを結ぶべきかというテーマで協議を行ないました。イギリスは欧州宇宙機関(ESA)との関係も維持しながら、NASAとも協働を進めることによって、今後の有人宇宙探査ミッションの最前線に留まる方策を見出すことを目指しています。

一方、アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙機関も最近NASAと協定を締結し、2019年に同国の宇宙飛行士を初めて国際宇宙ステーションに送る計画を立てています。この計画は、国外のパートナーと協力して宇宙産業を発展させていくという同国の長期計画の一部です。 

UAE宇宙機関の事務局長であるムハンマド・ナセル・アル・アハバビ博士は『アラビアン・ビジネス』誌へのコメントの中で、UAEは国際機関と連携することによって宇宙科学技術分野におけるこの地域の拠点となることを目指すことを明らかにしました。 

UAEの宇宙計画の下、全員が同国出身のエンジニアチームによって、初の国産衛星であるリモートセンシング地球観測衛星「KhalifaSat(ハリーファサット)」の開発が進められました。ドバイのMBRSCThe Mohammed bin Rashid Space Centre)で組み立てられたこの高解像度衛星は重さが330kg5年の設計寿命を持ち、主に都市計画および環境の変化のモニタリングに利用されますが、自然災害からの復興の監視や支援にも利用されます。 

KhalifaSat」の組み立てはUAE国内で行なわれましたが、地球低軌道に乗せるための打ち上げは、UAE宇宙機関のパートナーである三菱重工グループ(MHI)に委託しており、201810月、種子島宇宙センターからMHIH-IIAロケットに相乗りする形で打ち上げられる予定です。 

可能性の広がり 

宇宙産業の発展に向けて壮大な計画を進めている国はUAEだけに留まりません。技術の進歩によって、宇宙機器のコストやサイズがどんどん縮小し、様々な国や民間企業が大気圏外探査を実現できるようになってきています。 

宇宙産業におけるこのような裾野の拡大が今後も続いていけば、コストの分担や資源の共同利用などの国際協働もますます増えていくことが予測されます。そしてそれは、衛星の打ち上げから深宇宙探査までを含む、様々な宇宙プロジェクトに、非常に多くの新たなプレイヤーが参入可能になっていくということです。

Topics: Launch Services

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